鈴木勝吾関係で見てほしい作品とその理由
1 ミュージカル薄桜鬼 風間千景篇
2.5の出演作品としてはぶっちぎりに知名度の高い薄ミュの、主演作品。
風間篇前と後では、演技も、歌い方も全然違う、分岐点のような作品。
なので、セットで土方歳三篇もみてほしい。あと、新選組奇譚をみると、また違う視線で見れるかもしれない。
殺陣もいい。歌もいい。…みて。
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2 ロボ・ロボ 2014版
前述、風間篇のあとに出演した、西田シャトナーオリジナル作品。
出演7名が全員職人だった。ロボットの擬人化なのだけれど、彼らの動きをみていると、本当の姿がどうなのか、ちゃんとわかる。レコーダーはキャタピラ駆動だな、とかコックは下半身は一体成形で車輪駆動じゃないかなとか。
目が見えなくなってからの表情の演技、半分こわれたときの動きなど、ロボットの動きがほんとうにすごい。勝吾くんだけじゃなくてみんなほんとにほんとにすごい。
3 舞台東京喰種 〜或いは、超越的美食家をめぐる瞑想録〜
グルステ二作目。
基本的に上手い人しかいない。月山を演じた佐々木喜英の怪演ぷりは、みないとわからないと思う。とてもくるっていていい。
鈴木勝吾的には、風間篇ぶりの富田麻帆とのコンビによる、幼少、少年、青年のシームレス演じ分けは是非推しておきたいところ。鈴木勝吾の虫の息劇場はここでも健在…っていうか、基本全部虫の息。
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4 パラノイア・サーカス
少年社中×東映 舞台企画第一弾。
金ぴかルパンが大人気。このぐらいから、登場人物と立ち位置の違う特異な役が印象的になってくる。世界観に好き嫌いはあるけれど、他の作品と見比べても、このルパンの特異性はわかると思う。ここでこういう役にはめられたことで、社中作品での幅の広さにつながってるんじゃないかと思う。出ている作品ごとに勝吾くんのやる役の落差ははげしい。劇団員なみに極端にキャラが違う。私は好き。
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5 ミュージカルスタミュ
天花寺翔役。1と2に出演。特に1は、個人的には2.5の最適解じゃないかと思っていて、私は2017年に自分がみた2.5でぶっちぎりに一番よかったと思っている。
誤解をまねくかもしれないけど、ミュージカル学科の学生らしく、アイドル舞台にならなかったのが勝因の一つかなと。
ただし、作品の歌のレベルは、正直期待しないでほしい。(普通の2.5レベル)
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6 瞑るおおかみ黒き鴨
佐川官兵衛役。もののふシリーズ第二弾。このシリーズ3作品は、1つ一つみてもそれなりに感動するくせに、シリーズの他作品をみてから観劇すると、栓の壊れた蛇口みたいにダーダー泣ける。
ただし、大胆に史実を変更するので合わない人は合わない。
鈴木勝吾のひげ役再び(最初は、カラーオブライフ)。ひげにポニテ、殺陣がいっぱいな上に、最後の虫の息劇場の絶品ぶりたるや。
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7 ミュージカル憂国のモリアーティ
九月十一日発売!
原作よし、キャラよし、演技よし、歌よし!! 生演奏のピアノにあわせて、正直2.5舞台としての想像をはるかに超えてきた作品。
幕間に検索すると「やばい」しかでてこなかったよ。
年齢層は高めだが、その分演技も安定していた。マーベラスが手配できる中で歌が歌える人間をピックアップしたのがよくわかる布陣。
個人的には、ミュージカル歌唱で、あまりないレベルで高音がでる鈴木勝吾の特異性を、役者のキーにあわせたオリジナル楽曲でさらに補強してくれて、歌がすきなファンとしては、もう五体投地して神に感謝するレベルだった。
こんな作品で、推しが主演してる姿をみれるなんて、もう奇跡。
鈴木勝吾のターニングポイント(2)
前カテゴリの続き。
3 ミュージカル薄桜鬼
まだ2.5ブームが来る前に始まったけれど、マーベラスではテニミュの後、コンスタントにつづいている作品としてはかなり古参の域にある。
鈴木勝吾は、第一作斎藤篇から、第九作ライブ2まで8作品に出演。
舞台は二作品目。しかし若手キャストのなかでは、二番目のキャリアという扱いだったし、実際本当に若いキャストが多かった。井俣さんの近藤さんがまだ設定されていなかった斎藤編は、矢崎くんの土方副長が最大の要だったなあ…と昔話を。
正直、最初勝吾くんは演技も歌もそんなにうまくはなかった。舞台経験のない若手が多かったので、そのなかではまあまあうまい方ではあったけれど、でもそこまでうまくなかった。
正直、うまくなったなとおもったのは土方篇で、化けたなと思ったのは風間篇。そのあとは、みるたびにどこかしら予想をこえるものをみせてくれるのでとにかく…すげーな…となっている。結局舞台役者鈴木勝吾をつくったのはまちがいなく薄ミュ。
鈴木勝吾は歌がうまいということになっている。まあ2.5に出る若手の中ではうまいほう。
彼はココア男。時代、「カラオケで、うまいと言われるタイプ」どまりだった。でもカラオケがうまいって理由で、テレビドラマの役もゲットできてるんで、十分うまいレベルではあったんだけど。
彼がちゃんとボイストレーナーに通い始めたのは、風間篇が決まってからなのだそうだ。そもそもクールで強い鬼をかっこよく演じるためには太刀筋もしゅっとしてなきゃいけないし、激しい殺陣をしても息をあげちゃいけないし、歌だってうまくなきゃいけない、と彼はおもってがんばったらしい。(とインタビューで言っていた)
風間篇神戸初日、正直ほんとにびっくりした。歌声は張りがあり、伸びやかで、演技も落ち着きをみせ、「…これは風間だ」と原作クラスタも言ってくれたぐらい、ほんとに変わっていた。
まえに池田純矢くんとの対談で、「えら呼吸してるんじゃないかと思うぐらい、息をみださないよね」なんていわれていたけど、それもこれも、風間はそんなことしない、っていう一念だったらしい。
鈴木勝吾を語る上で、ミュージカル薄桜鬼ははずすことはできない。もちろん絶対みろとはいえないけど、でも彼の演劇人生の中で、それはかなりの割合を占めていて、かつ彼の演劇の方向性をきめていると思う。
薄ミュライブ2、その風間メドレーは、さらりとやっているけれど、たぶんあれを当時の勝吾くんと同じレベルでやれる人はそうはいないと思う。すごいよほんとに。
その意味で、毛利さんは、勝吾くんにほんとにすごい花道を用意してくれたんだなと思っている。
鈴木勝吾のいくつかのターニングポイント
最初から飛ばしてるけどたぶんメモ書き程度。
私が勝手に考えている鈴木勝吾の役者人生におけるターニングポイントはいくつかある。なお当人がどう考えているかは全く別で、外野のファンからみたターニングポイントなのであしからず。
1 シンケンジャー
2 ココア男。
3 ミュージカル薄桜鬼
4 ロボ・ロボ
5 カラーオブライフ
7 ミュージカルスタミュ
そしてそれらのターニングポイントのミッションをこなした結果が、
ミュージカル憂国のモリアーティだったんじゃないかと思っている。
2009年放映。いわずとしれたデビュー作。いまメディアで鈴木勝吾を説明するとしたら、シンケンジャー抜きでは語れない。全国ネットは強い。
DVD売り上げとか、Gロッソのとれなさっぷりとか、ルパパトがくるまでいろんな記録を持っていた人気戦隊。
むろんそのキャストも大人気だった。そういう意味では、鈴木勝吾の人気絶頂期ともいえる。
当時現役大学生だった鈴木勝吾は、完全パリピキャラだったらしい。
2ココア男。
2010~2012年。番組主導なんちゃってバンドの、ギター担当。初めのころは完全にあてぶりだった。
2年の活動期間のうち、深夜ドラマとかがあったのは1年目だけどバラエティは2年目に盛んで、曲調、衣装にココア男。らしさがでたのは2年目。すでに解散7年がたっているけど、メンバーはまだまだ仲がよい。ココアのメンバーが写真をとると、いつもココア男トレードマークの手(ココアのマグカップを持っているような手。由来はどうだか覚えてない)をしている。
2015年に復活ライブ。
この期間は、ドラマちょろっと、映画ぽつぽつという感じの出演。
初舞台、大黒摩季源氏は、2010年秋なのでココア男の時期。
鈴木勝吾にとって、このココア男。の時期は、俳優のキャリアとしてはまちがいなく回り道だったけれど、俳優として生き残るためには必須の振る舞いをみにつけたと思う。
それは、協調性と段取り。お客様ファースト。
鎌苅健太という強烈にリーダーシップをとれるリードボーカルを中心とした活動。正直なんちゃってバンドだったせいで、演奏よりもトークのイベントが多かった。その分トークスキルは確実に上がった。メンバーに、場を回し、かつもりあげるのにたけた鎌苅健太、米原幸祐の二名がいたことも大きい。彼らはとにかく面倒見がよかった。トークに参加しない、マイクをすぐに口から離す他のメンバーをいちいち注意し、「しつけ」た。
勝吾くんがまがりなりにも、イベントで場を仕切ったり、段取りよくものごとを進めたり、とっさのときにイベントで切り返せるのはこのときの薫陶がでかいと思う。
すくなくとも、シンケンジャー時代にはまずないことで、そもそもインタビューでもその片鱗が現れてる(好きなものしか食べたくないとか)ように、本来の彼はかなりの自由人。
だが、イベント時に、ぐだぐだしてお客様を待たせたり、しらけさせるのはよくないと骨身にしみているんじゃないかと思う。彼の気配りは、とくにイベントゲスト(主役でないとき)に発揮される。普通だったらいやがることでも、自分が盛り上げ役と判断するとすぐにはじめる(あるいは代替のことをやる)。あの決断力は、まちがいなくココア男。でつちかわれたものだと思う。
続く。